日本の保険制度

日本における保険制度は、国民全員が保険に加入することが義務付けられています。

では保険に加入すると、どのようなメリットがあり、どのような給付が受けられるのでしょうか。

私達が病院で診察や治療を受けたり、薬がもらえたりするのを「療養の給付」と言い、これは、保険に入っていることで医療費にかかる負担額が決められた負担のみで済むという、いわゆる保険適用の分のことです。

このときに自己負担額が高額になった場合に「高額医療」を受けることができます。
自己負担の限度額は所録によって決められていて、この限度額を超えた分が高額医療として還付されます。

なお、帝王切開のような手術行為が行われた場合の出産を除く普通分娩による出産や美容整形などの自費扱いの行為は、高額医療を受けられません。

また、入院した時の食事代として「入院時食事療養費」や病気や怪我で会社を休んだ時は「傷病手当金」、出産した時は「出産育児一時金」などが受けられます。

中には該当している人に、保険者(社会保険事務所や自治体)から、還付の通知が来るところもあるようですが、自分で申請をしないともらえないところもありますので、該当しそうな時はよく調べてみると良いでしょう。

会社勤めの方は、会社に聞いてみても良いでしょう。
せっかく保険料を支払っているのですから、これからに向け確実に受け取れるようにしっかり下調べをしておくことも大切でしょう。


高額医療貸付制度と委任払い

入院となると、その費用はどんな病気であれ通院と比べ物にならないほどの費用が必要になります。
後日申請すれば戻ってくる高額医療も、後でもらえるのなら最初から差し引いてくれればありがたいですね。

そしてこのような悩みを解消するために「高額医療貸付制度」があります。
この高額医療貸付制度とは、高額医療費が支給される見込み額の8〜9割を無利子で貸してもらえるという制度で、健康保険に加入している人であれば、誰でも利用できます。
ただし、組合や共済保険は適用になりませんので注意しましょう。

入院費用にいくらかかったのかは、病院が診療報酬明細書というのを作成してから決定され、しかもこの審査が通るのが約3ヵ月後になりますから、それから貸付金の精算が行われることになります。

精算後、不足分を支払うか、または残余分が振り込まれる仕組みですが、ほとんどの場合戻ってくることが多いのだそうです。

なお、国民健康保険に加入している方には「高額医療費の委任払い」という制度があり、こちらは、限度額の支払いさえすれば、高額医療の分は加入している国民健康保険の市町村が支払ってくれるという仕組みです。

しかしこれは病院側と市町村の契約がされていないとできませんので詳しくは自治体に問い合わせてみましょう。

入院したいと思っていても医療費の心配をしていては、十分な治療を受けることはできませんので、このような制度がある事を覚えておいて十分に活用したいものです。

高額医療の申請の仕方

ここでは、高額医療の申請の仕方について説明したいと思います。

国民健康保険者の高額医療を申請する先は、住んでいる自治体の国保担当窓口ですので、以下のものを用意・持参して手続きしてください。
 ・国民健康保険証
 ・医療機関の領収書
 ・預金通帳
 ・印鑑

なお70歳以上の高齢者は、上記のものに加えて高齢受給者証も持参して、住んでいる自治体の老人保険担当窓口へ申請します。
病院にかかる時にも高齢受給者証は必要で、これがないとたとえ1割負担であっても、一般の方と同じように3割負担になってしまいます。

忘れた場合には後で申告すれば差額分は戻ってきますが、手続きが手間でしょうから、いつも国民健康保険証と一緒に保管しておくのが良いかと思います。

社会健康保険に加入している方の場合は、保険者を管轄している社会保険事務所に、領収書・保険証・印鑑を持参して手続きを行います。

社会健康保険の場合も、会社によっては会社側が申請手続きをとって、給料と合算して支払ってくれるところもあるようですので、分からなければ、まず会社に聞いてみると良いと思います。

どちらの場合も申請の認定がおりてから、申請の時に持参した通帳に振り込まれます。
貸付制度を利用される場合も、上記と同様のものを持参して申請することになります。

低所得者の場合は、非課税を証明する書類「非課税証明書」を持参しなくてはいけませんので、注意しましょう。
領収書を紛失してしまった方は、病院で領収証明書を発行してもらいましょう。

高額医療申請の条件

高額医療を利用するには、医療費が自己負担額を超えていることが条件ですが、それ以前に大事なことは健康保険組合に加入していなければいけないということです。

そもそも健康保険組合に加入していなければ、高額医療を申請することができません。

社会健康保険は、会社員やその家族が加入していますが、この保険料は給与から差し引かれるので、滞納する心配はありません。

一方国民健康保険は、住んでいる市町村に保険料を納付するので、銀行口座などからの口座振替や自主納付(振込み)などの方法で、納付することになります。
最近は、コンビニから振り込むことができるようになった自治体もあります。

これらの納付を怠ると、医療費に高額な費用を支払っても、高額医療費が還付されないばかりか、病院にかかって保険適用の治療を受けても、全額自己負担になってしまいます。

保険組合に加入していない患者さんが、全額自己負担の明細書を見て、ビックリされるようですが、このように保険組合に加入しているおかげで3割で済むわけですから、全額自己負担とでは雲泥の差ですから驚くのも無理はありません。
このような事にならないためにも、保険料は必ず納付しましょう。

自治体によっては、相談の上、少々さかのぼって保険組合に加入させてくれるところもあるようです。

高額医療制度

高額医療制度を知らずに申請をしなかったために、払い戻しを受けなかった人が毎年多くいらっしゃいますが、是非自分が加入している健康保険組合に申請しましょう。

大企業や公務員においては、申請をしなくても自動的に高額医療の算出をして、払い戻してくれるところもあるなど、会社によって申請の仕方も還付される方法も様々です。

法律で定められている限度額は、一般の人で80,100円ですが、健康保険組合によっては違うところもあるようです。

トヨタ自動車の健康保険組合では、この限度額が所得に関係なく20,000円で、申請をすれば3ヵ月後の給与に合算して支払われる仕組みになっているそうです。

これだけしっかり制度がなっていると、安心して治療に専念できますが、中小企業では、従業員に高額医療の仕組みを説明していないところがまだあるようです。

保険組合に加入をすれば、自己負担が3割で済むという知識だけでは、到底足りません。
民間の保険会社に頼るのも良い案ですが、せっかく保険料を納めて保険組合に加入しているのですから、制度の内容については知っておく必要があります。

いざという時に困らないように、自分が加入している健康保険組合ではどのような体制がとられているのかを一度、確認しておきましょう。

出産の時の高額医療

高額医療は、負担金が限度額を超えた場合に還付されますが、保険外の治療費はこれに含まれません。

高額なのに保険外になるものの一つに出産費用があげられます。
出産にかかる費用は、普通分娩で約30万円くらい、出産までに通院して定期健診を受ける費用が約7〜8万円と言われていますが、これらの費用は保険適用外ですので、高額医療が適用されません。

出産が病気ではないというのがその理由ですが、高額医療に代わって、出産育児一時金というものが還付されます。
実際に分娩にかかった費用がいくらかに関わらず、一児につき一律35万円が支給されますから、忘れずに申請しましょう。

ただし、帝王切開でお産をした場合には、手術という医療行為になりますので、保険が適用され、高額医療の支給対象となります。

出産は経済的負担も大きく、それゆえに少子化が進むなどといった問題があげられてきました。
しかし現在では、後日受け取るべき出産育児一時金を、医療機関が直接受け取れる制度も確定されていて、確定申告で申請をすれば、医療費控除も受けることもできます。

出産には何かとお金がかかりますが、これらの制度を上手に利用して、上手にやりくりしたいものですね。

高額医療の時効

医療費に関する計算は、治療や薬は点数で計算され、高額医療は月単位・診療科単位などで算出しなくてはいけません。
また保険適用外のものは、合算する事ができませんし、いろいろな規定もあります。

以前に高額な医療費を支払った事があるけど、高額医療に該当するかどうかが分からず、そのままになっている方は、今一度領収証を見直してみませんか。
高額医療に限らず、保険料の徴収や還付には、失効までの期限が2年という時効が存在します。

高額医療に関していえば、診療を受けた月の翌月1日から2年間は有効で、診療費の自己負担金を診療月の翌月以降に支払った場合は、支払った翌日から2年間となります。
この期間を過ぎますと時効によって高額医療を還付してもらえる権利が消滅します。

この他、療養費、傷病手当金、出産手当金、出産育児一時金、埋葬料、埋葬費、移送費も保険料から還付されます。
時効は皆2年間で、時効の起算日についてもそれぞれ規定があります。

高額医療に該当する人へは、通知書が送られてくるようですが、還付申請をし忘れている覚えがあるならば、もしかしたらまだ間に合うかもしれません。
治療にかかった領収書を持参して、社会保険事務所や自治体に相談されてはいかがでしょうか。
もしかしたら、忘れていたお金が戻ってくるかも知れません。

入院中の食事代について

入院すると、部屋代や食事代などは高額医療の対象になりませんから、入院期間が長くなると自己負担が大きくなります。

食事代は、入院をしていなくても、日常食事を取るという行為は必要だという理由から自己負担になっています。
ただし食事代は全額自己負担になっているわけではなく、一般の方が支払う食事代は、1食260円です。

実際に食事を作るには、材料費や人件費などがかかっていますから、260円を超えてかかっている経費が入院時食事療養費として保険組合から支給されているのです。
このように、保険組合は高額医療のみならず、さまざまな給付を行っています。

一方アメリカでは、日本のような保険制度がありませんので、多くの方はちょっとした風邪や病気のときには市販の薬で治すのだそうです。

しかも病気や出産で入院した場合、高額医療といった制度もないので、民間の保険に入っていればまだ良いほうで、その保険料が高額なため加入していない人が多いのだそうです。

日本では、「国民皆保険」といって保険組合に加入することが義務付けられていますので、保険証があればどこの病院でも安い費用で高技術の治療が受けられるのが当たり前のようになっています。

このように諸外国の話を聞くと、日本の医療保険がいかにしっかりしているかがわかると思います。

高額医療と医療費控除の違い

患者さんの中には、「1年間の領収書の合計が10万以上あれば、市役所に持っていけばいい」と、高額医療と医療費控除を勘違いされている方が結構おります。

高額医療は、自分が加入している健康保険組合へ申請するものです。
保険証に記載してある保険者が管轄となりますので、国民健康保険の方は市町村の役所に、社会健康保険の方は保険者となっている会社か社会保険事務所に申請することになります。

このとき食事代や差額ベッド代など保険適用外の費用は含まれません。
そして対象となる医療費は、月別・病院別・診療科別・入院、通院別にそれぞれ計算しなくてはいけません。

一方、医療費控除は、確定申告で税務署へ申請するものです。
1年間で一世帯の医療費の支払いが10万円以上あった場合に、申告することができます。
1年間に受け取った医療機関の領収書を、税務署へ提出します。
この医療費控除の場合は、保険適用外のものや病院への交通費も含まれます。
ただし注意したいのは、保険金(給付金)は医療費から差し引く対象となるので、高額医療で還付された分は、医療費から差し引く計算になります。

高額医療は2年以内であれば確かに申請は出来ますが、年末に申請すれば良いと勘違いしている人が多いようです。
医療費控除は税金、高額医療は保険が還付されるものと覚えておきましょう。

高額医療の算出方法

高額医療を利用する場合の計算方法についてみていきたいと思います。

ここでは、70歳未満の場合を例にとって説明します。
70歳未満の一般の所得の方が、入院して1ヶ月に100万円の医療費がかかったとします。
高額医療を利用しない場合、自己負担が3割ですから、30万円というかなりの金額が負担金になります。

しかし、高額医療を利用すれば、負担をかなり減らすことができます。
高額医療の算出方法は、決められた計算式で算出します。
まずは、自分の負担金の限度額がいくらになるかを計算します。

一般の方の場合、
「80,100円+(医療費ー267,000円)×1%」と
いう計算式に当てはめて考えます。
すると
80,100円+(1,000,000円ー267,000円)×1%=87,430円となります。
この87,430円が負担金の限度額です。

負担分の3割分からこの限度額を差し引いた分が高額医療費です。
300,000円ー87,430円=212,570円。
この212,570円が高額医療として、戻ってくるということになります。

30万円を支払った後に、申請をして212,570円を還付してもらうか、入院が決まった時点で申請をして87,430円の支払いで済ますか選べるというわけです。

因みにこの計算式は所得によって違ってきますし、70歳以上の方も変わってきます。
高額医療を利用の際には、病院の相談窓口や加入している健康保険組合で相談してみてはいかがでしょうか。
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